5/31 衆院本会議での働き方改革関連法案への反対討論全文を公開いたします。
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働き方改革関連法案反対討論
立憲民主党の長谷川嘉一です。
私は、立憲民主党・市民クラブを代表いたしまして、ただいま議題となりました「働き方改革を推進するための関係法律の整備に関する法律案」につきまして、反対の立場から討論を行います。
冒頭、一言申し上げます。昨日の党首討論についてであります。あのやり取りに、安倍総理の「説明」と称する言葉が、国民の皆さんに全く信用されない理由が凝縮されていました。総理は、直接関係ないことを蕩々と述べ続けました。いつものやり口です。聞かれたことに正直に答えようとしない。答弁をはぐらかす。薄ら笑いまで浮かべて、とにかく逃げる。野次に過敏に反応して、時間を稼ぐ。これでは党首討論の意味は全くありません。
また、安倍総理は昨日、森友学園問題の本質は、なぜあの値段で国有地が引き渡されたかだ、と明言しました。なぜあの不当な値引きが行われなければならなかったのか。昭恵夫人のあの問い合わせこそが、総理自身がいみじくも仰ったように、この「森友問題の本質」なのです。是非、昭恵夫人には国会に堂々と出てきていただき、真相を語っていただくしかないということを、改めて強く申し上げます。また安倍総理は、加計学園に、総理大臣としての名前だけでなく、「いいね」との発言までねつ造したと言われているのに等しいのに、何の抗議もされないそうです。では翻って、森友学園の時はどうだったでしょうか。籠池理事長が安倍総理の名前を勝手に使ったと怒っていたのは、他ならぬ安倍総理ご自身ではないですか。加計理事長と会っていたのに、ウソを付いているから何も言えないのではないですか。
疑惑は底無し沼。膿は更にたまる一方。関係者を国会に招致して、白黒付けることを強く求めます。このことを強くお訴えし、討論に入ります。
まずは、内閣提出の「働き方改革関係法案」における、25日の厚生労働委員会での強行採決に対して断固抗議致します。人の生活と命を守る、人の生活の根幹にかかわる重要法案を強行採決によって成立させるという暴挙、しかも、この法案は今もなお、多くの問題や矛盾・危惧を残したまま、それでも、強行採決に踏み切った政府与党の暴挙は許しがたいものです。
本法案に反対する第一の理由は、働き方改革関連法案に対象業務の拡大を盛り込む予定であった裁量労働制をめぐる数々の失態、及びそのような失態により招いた行政への不信です。厚生労働省は約三年前から不適切なデータ比較をもとに、裁量労働制で働き者の労働時間のほうが一般労働者よりも短いという虚偽の説明を繰り返し、安倍総理大臣の答弁の撤回と謝罪に追い込まれました。そして、本法案の強行採決の当日の朝までも、データの集計ミスが報告されるという、ねつ造ともいえる杜撰な処理が行われてきました。それでもなお、法案の正当性を強弁し成立させようとする政府与党の姿勢は、怒りを超えて呆れかえるばかりです。
反対の第二の理由は、高度プロフェッショナル制度の創設そのものです。高度プロフェッショナル制度に対しては長時間労働を助長し、過労死が増えるのではないか。なし崩し的に対象業務の拡大や年収要件の引き下げが行われるのではないか。万が一、高度プロフェッショナル制度下で過労死されても労災認定は、現実的には、ほぼほぼ無理ではないか、といった様々な懸念、危惧が指摘されましたが、何一つ払拭されないまま、強行採決となりました。人の生活の根幹にかかわるこのような重要法案を、はぐらかし答弁で塗り固め、働く人の命と健康を害する危険性のある制度を野放図にする、そんなことは許されてはなりません。
反対する第三の理由は、そもそもわが国は、健康増進法に基づき定められている「健康日本21」において、「平成32年までに週労働時間60時間以上の雇用者の割合を5%」まで減少させるという目標値を設定しています。「健康づくり」においては長時間労働雇用者の減少を目指すとしながら、労働法規では時間外労働の上限等が適用除外される業種を増やすという、大きな矛盾を露呈しています。
加藤大臣は、過労死家族の会の皆さんと会ってどのように感じましたか?私は、過労死は誰にでも起こりうることであり、その悲劇は残されたご家族にとってあまりにもむごいと感じました。ご家族の皆さんの願いは、高度プロフェッショナル制度の削除です。大切なご家族を亡くしたからこそ、高度プロフェッショナル制度が長時間労働につながり、過労死が増えるであろうと見抜いておられるのです。安倍総理に採決前に会わせてください。そして高度プロフェッショナル制度を削除し、労働者保護のための法案としてください。私たち立憲民主党も対案を提出いたしましたが、まだ十分に質疑していただけておりません。
現行法上も繰り返し起きている過労死問題をはじめ、多くのそして大きな問題や矛盾、危惧が解決・解消されていないばかりか、逆にそれらの問題や矛盾、危惧をさらに増加拡大させることとなる高度プロフェッショナル制度の新設を含む本法案は、働く人の命と生活をないがしろにする法律案であり、私は断固反対の意思表明をし、反対討論と致します。
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